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CLARISSA 第四場
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第四場
暗転幕前。夜。
ヨハンが上手からやってくる。
ヨハン 今日はやけに胸騒ぎがする。なんだろう。こんなこと初めてだ。
ヨハン、海を見る。
ヨハン それに嵐だって急におさまってしまった。一体、何が起きている
んだろう。
クラリッサが上手からやってくる。
クラリッサ ヨハン？
ヨハン 家にいろよ。
クラリッサ 嵐は？
ヨハン わかんない。
クラリッサ わからない？
ヨハン こんなこと初めてさ。あんなに吹いていた風が急にやんだ。
クラリッサ 寒くない？
ヨハン 帰ろう。
上手に去ろうとする二人。下手からカルバスとバッチョがやってくる。
カルバス おい、ちょっと待て。
バッチョ ヨハンじゃねえのか？
ヨハン （クラリッサに）行って。（振り返り）これはこれは遅くまで見回
りご苦労様です。
バッチョ 一緒にいるのはクラリッサか？
ヨハン 関係ないだろ。
カルバス 関係なくもない。クラリッサはジョーイ様の花嫁様だ。
クラリッサ 冗談じゃないわ！ 誰があんな奴！
バッチョ 変な噂が立つと困るんだよな。
クラリッサ こっちも迷惑よ！
ヨハン じゃあ、怪我をしないように送って行くさ。じゃあね。
カルバス まぁ、待てよ。俺たちはお前に用があってきたんだ。
ヨハン 何？
バッチョ そう身構えるなよ。人魚が浜に上がってな。
クラリッサ 人魚？
カルバス ジョーイ様がお前に面倒を見るようにってさ。
ヨハン 何で俺が？
バッチョ お前が人魚の子供だからだろうが！
カルバス 落ち着けデブ。
バッチョ 誰がデブだ！ あ、お前が言ったのか。
クラリッサ 本当に人魚なの？
カルバス お前の母ちゃんかもな。
ヨハン 俺が人魚の子供だってまだ信じてるのか？ ふざけんな。
バッチョ 黙って付いて来い。
ヨハン 嫌だね。
カルバス しゃべってもいいから付いて来い。
クラリッサ ねえ、本当に人魚なの？
バッチョ そうだよ！
カルバス そうでございます。
ヨハン デカイ魚と見間違えたんだろ。
カルバス おいデブ、言われてんぞ。
バッチョ うるさい。いいから来い。
ヨハン 嫌だね。
クラリッサ ヨハン、少しだけ見せてもらわない？
ヨハン 見たきゃ、勝手に行けよ！（上手に去る）
クラリッサ 何を怒ってるのよ。
カルバス クラリッサ様。それでは私めがご案内いたします。
バッチョ おい、こいつじゃなくてヨハンを連れて行くんだろ。
カルバス ちょっと来い。いいか？ ジョーイ様が喜べばそれでいいだろ？
クラリッサを連れて行って強引にでも婚約をさせてしまえばジョー
イ様は大喜びだ。
カルバスとバッチョはコソコソと話を始める。
その間にクラリッサも上手に去る。
バッチョ ああ、そういうことか。
カルバス いいか、ご機嫌を取って連れて行くんだ。くれぐれも気分を損ね
させるなよ。
バッチョ わかった。任せとけ。
二人、クラリッサに振り返るが、すでにそこには誰もいない。
カルバス あれぇ？
バッチョ あれぇ？ じゃねえよ。
暗転。
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