フェイムルの移動図書館 第2場

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フェイムル移動図書館 第2場

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第2場

◆魔女の森(暗転幕前)

   東の魔女アデリンの森は深い森の中。進んでいるうちに緑が徐々に濃くなっていき、

   やがてその中に紫や藍色が混じってくる。そして、徐々に陽の光さえもさえぎり始

   め、そこがもう普通の森ではないことを物語る。

   その中を兄妹は恐る恐る歩いてくる。

   先を行くのはマイオ。その後ろから着いていくリトは辺りを不安そうに見回す。少

   しでも兄との距離が離れると、駆け足で兄を捕まえに行く。

リト   マイオ、少し休もうよ。

マイオ  バカ。そんなことをしてるうちに、母さんが死んじゃうかも知れないだろ。

リト   お母さん死んじゃうの?

マイオ  薬を飲ませなきゃ、そうなるだろうって。お医者様が言ってただろ?

リト   そんなの嘘よ。

マイオ  だからお前なんか連れて来たくなかったんだ。家で待ってれば良かったのに。

リト   お母さんが死んじゃうなんて、そんなのやだ。

マイオ  だから急いでるんだろ。

リト   ねぇ、魔女はどこにいるの?

マイオ  知らないよ。森の奥だって話だけど……。

   マイオがリトに文句を言おうとした時、周囲で不気味な鳴き声が上がる。

   マイオは辺りを注意深くうかがう。

   気がつけば、二人をぐるりと見たこともない歪な形の木が取り囲んでいる。

マイオ  大分奥まできたみたいだけど、魔女の森ってこの辺りかな?

リト   呼んでみたら来るかしら? 魔女さーん、どこにいるの? 魔女さーん。

   リトは大きな声で森の中に呼びかける。

   マイオはリトの手をつかんでそれをやめさせる。

マイオ  バカ。そんな簡単な訳ないだろ。

リト   じゃあどうするのよ。

マイオ  変な化け物でも現れたらどうするんだよ。

リト   マイオが何とかしてよ。

マイオ  悪い冗談言うなよ。

リト   魔女さーん! 魔女さーん!

アデリン 呼んだかい?

   二人の後ろから魔女が出て来て声をかける。二人は飛び上がって驚く。

   東の魔女アデリンは、フードを深くかぶりこみ顔を隠している。

リト   出てきたわ。

マイオ  そんなバカな。

   アデリンの顔を見ることは出来ない。

   じろじろアデリンを見る二人にアデリンが不快になる。

アデリン 用事がないなら帰るよ。

   そう言うとアデリンの体が森の影に消えていく。リトがあわてて魔女を呼び止める。

リト   待って、薬を頂戴。

アデリン いきなり物をせびるなんて何てガキだい。礼儀を知らない子とは、話したくな

    いね。

マイオ  母が病気なんです。お薬をいただけませんか?

   アデリンは足音一つさせずに二人の前に急にやってくる。

アデリン 代わりに何かくれるのかい?

リト   ずいぶんがめついのね。

アデリン 嫌ならいいんだよ。私は帰るから。

マイオ  でも、僕たちあげられるものなんて、持ってないんです。

リト   お金もないの。

   そう言って互いに見詰め合う兄妹。意地の悪い笑みを浮かべる二人。

マイオ  そうだ。こんな口うるさい妹なら、

リト   こんな意地悪なお兄ちゃんなら、

兄妹   あげてもいいです。

   アデリンが笑うと同じように森が震える。

アデリン 仲のいい兄妹だね。何の薬が欲しいんだい?

リト   お母さんが病気なの。

マイオ  熱が出て下がらないんだ。

   アデリン笑うのをやめ、指先が交互に兄妹を指す。

アデリン ……お前たち木こりの子供かい?

マイオ  そうだよ。

   アデリンは兄妹の周りを歩き始める。兄妹は目で魔女を追う。

アデリン お前たちを待っていたよ。

マイオ  待っていた?

リト   どうして?

アデリン 森が騒いでいたからね。木こりの子供がやってくるよってさ。

リト   お願い。薬を下さい。

アデリン その病気は西の森の魔女のせいかもね。

マイオ  西の魔女?

アデリン 西の魔女は病気を作るのが得意だからね。それなら厄介なことさ。

リト   薬、持ってないの?

アデリン 今はないね。でも薬は作れるよ。

マイオ  本当?

リト   ねえ、西にも魔女がいるの?

アデリン 私たちは四姉妹さ。

マイオ  四人? 魔女が四人もいるの?

アデリン 不思議なことは何もないさ。木こりだって何人もいるだろう? 魔女だって何

    人でもいるのさ。

マイオ  でも、魔女だよ?

アデリン しつこい子だね。黙って話を聞けないのかい?

マイオ  すみません。

リト   ごめんなさい。

アデリン まぁ、いいさ。ただ少々厄介なことになっててね。薬を作ってやる代わりにお

    前たち、頼みごとを聞いてくれるかい?

   再び兄弟の周りを歩き始めるアデリン。

リト   いいわよ。

マイオ  一人で決めるなよ。

リト   だって急がないと、お母さんが。

マイオ  それはそうだけど。

   兄妹の言葉を気にすることなくアデリンは話を続ける。

アデリン 情けないことに欲望を詰め込んでいた壷をひっくり返してしまってね。顔に欲

    望を浴びてしまったのさ。

マイオ  欲望?

アデリン 幸せになりたい。お金持ちになりたい。有名になりたい。人から好かれたい。

    そんな気持ちのことさ。

マイオ  それ悪いことなの?

アデリン 度が過ぎればね。

リト   それがどうしたの?

アデリン 私の姉妹がそれに取り付かれてしまったのさ。まぁ、先に取り付かれちまった

    のは私なんだけどね?

   アデリンは薄気味悪い笑い声を出す。その笑い声にリトは不安そうな顔をする。

リト   お兄ちゃん、早く薬のこと聞きましょう。

   リトは兄の手を握りしめる。マイオは力強くその手を握り返す。

マイオ  うん。でも機嫌を損ねたら薬のこと教えてもらえないだろうから、きちんと聞

    こう。

アデリン 三人の魔女は私から欲望が沢山集まった目と鼻と口を奪って、壷に入れようと

    したんだけど失敗して逆に欲望に取り付かれちまったのさ。そして、その欲望の

    ままにこの世界のいろんな所で悪さを始めたのさ。

マイオ  口がないだって? どうやって話してるのさ。

アデリン お前たちの頭に直接さ。(客席に背を向けるように二人の前に立つ)

   そう言ってアデリンはフードを取って二人に顔を見せる。

   兄妹は飛び上がって驚く。

マイオ  ギャー、顔がない!

リト   魔女じゃなくてオバケだわ。

アデリン 失礼だね。

   アデリンは再びフードを深々とかぶり直す。兄弟は小声で相談を始める。

リト   これじゃあ、薬なんか作れないわよ。

マイオ  西の魔女に頼もうか?

   アデリンは気味悪く笑う。兄妹は身をすくめる。

アデリン お前たちの母親の病気が、西の魔女のせいだって言っただろう? 薬の調合は

    私が姉妹で一番だよ。

リト   でも……。

アデリン 西の魔女たちは欲望に負けて悪さをし始めたのさ。あたしのせいでもあるから

    御代は取らない。目と鼻と口を取り返してくれるだけでいい。

リト   お兄ちゃん、どうしよう?

   リトはマイオに身を寄せる。

   アデリンはそれを感じ取ったのか、顔の無い顔を兄妹に向ける。

アデリン いくら得意なことでも見たり嗅いだり噛んだり出来なきゃ何を作ってるのかわ

    からないからね。

   リトは読めない表情を読もうと必死でアデリンの顔を見つめる。

リト   本当ね?

マイオ  でも、時間がないんだ。

   アデリンは、懐から三つの羽根を取り出して兄妹に見せます。

アデリン これを持っていれば、そう時間はかからないよ。

マイオ  何で?

アデリン 何でもさ。とにかくそういう魔法がかかっているのさ。不可能を可能にするの

    が魔法さ。ただし、いきなり私の目や鼻や口に触ってはいけないよ。そんなこと

    をしたら姉妹たちと同じように欲望に取り込まれちまうからね。

リト   じゃあ、どうすればいいの?

アデリン 羽根でなでてやるんだ。やさーしくね。そうすると羽が欲望を吸い取ってくれ

    る。顔から取れやすくなるし、それからなら触っても平気だ。

マイオ  気持ち悪いね。

リト   うん。

アデリン そうそう、欲望を吸った羽根は本のしおりにするがいい。くれぐれもそのまま  

    にしてはいけないよ。

リト   どうして?

アデリン 羽から染み出した欲望で、お前たちまで欲望に取り付かれてしまうからさ。

マイオ  じゃあ、どうすればいいの?

アデリン だから羽は本のしおりにするんだよ。

リト   しおりね。

アデリン うん。本はなるべく珍しい物が良いね。珍しい本なら、欲望をしまっておくに

    はちょうど良いからね。ああ、そうだ。くれぐれも羽根を失くすんじゃないよ。

   アデリンは、羽根をマイオの前に差し出す。

   マイオは魔女と羽根を交互に見つめる。マイオを覗き込むリト。

   マイオは小さくうなずくと、羽根を手に取る。

マイオ  うん。わかった。

アデリン 今度こそ欲望をきちんと閉じ込めておかないとね。

マイオ  閉じ込める?

   マイオはアデリンの言葉に何か引っかかったのか、魔女をじっと見つめる。

リト   まずどこに行けばいいの?

   アデリンが背中から一冊の本を取り出す。

アデリン まったく世話が焼けるねぇ。この本を持ってお行き。この本が教えてくれるさ。

リト   本がおしゃべりするの?

アデリン そうさ。

歌『魔女の歌』

「一番上の姉は 北の魔女 犬が大嫌い

 犬から逃げるために 私の目を持ってた

 姿を見るのも 名前を聞くだけでも 寒気がする

 声を聞いただけで魔法を忘れちまう

 二番目の姉は 西の魔女 お酒が好き

 お酒の匂いをかぐために 私の鼻を持ってった

 誰彼かまわず 意地悪ななぞをかけて 困らせる

 答えられないものをお酒に変える

 一番下の妹は 南の魔女 いつも自分に自信がない

 言葉で自分をごまかしたいから 私の口を持ってった

 誉められたら上機嫌で 魔法を使うのも 忘れちまう

 すぐに嘘だと思うから お前を魚に変えるだろう

 数々の本の名前の書かれた本がお前たちを導く

 暗い闇の果てまでも 絶望のふちまでも

 旅の終わりに悲劇が待っていても

 歩むことをやめることは出来ない

 生きることは辛くても

 幸せを感じられるのは生きているときだけ」

マイオ  北の魔女は犬が嫌い?

リト   西の魔女はお酒が好き。

マイオ  南の魔女は自信がない……。

アデリン スカランスカ、テプトリプト、ヘカテスヘカテー

   アデリンが魔法を唱えると、見る見るうちに本が人の形になっていく。

   本はあっという間に人間の大きさになり、大きな口を開けてゆっくりと伸びをする。

メルテル あぁ~。よく寝た。あれ? お呼びでございますか、ご主人様。

   メルテルはアデリンの前にうやうやしくひざまずく。

アデリン この子達をあたしの姉さんたちのところに案内してやりな。

メルテル お安い御用です。で、そのお姉さんはどこにいるんですか?

アデリン 知らないよ。頭を使って案内するんだね。さもないと燃やしちまうよ。

メルテル ひぃ。

アデリン 珍しい本を探していけば魔女に出会えるだろうよ。そうだねぇ、なるべく分厚

    い本が良い。本が厚ければ厚いほど欲望をよく閉じ込めることが出来るからねぇ。

   アデリンはそう言いながら、暗い森の中に姿を消す。

   魔女が去ると、森が徐々に明るくなってくる。ようやく森が元に戻ると兄妹はほっ

   とする。

リト   サヨナラも言わずに行っちゃったわ。

マイオ  礼儀がどうのって、自分の方が出来てないじゃん。

メルテル まったく、なんでこんな面倒くさいことに巻き込まれなくちゃならないんだ。

   ため息をつくメルテル。

マイオ  君は何?

メルテル 見ればわかるだろ? 本さ。まぁ、今は人の姿をしてるから分からないってい

    うのも分かるけどね。

リト   何の本?

   一瞬、ぎくりとするメルテル。すぐに強がって胸を張る。

メルテル 何の? 何のだって? そんなもんどうでもいいだろう!

リト   あら、怒ったわ。

マイオ  きっと、役に立たない本なんだぜ。あれだろ、難しい言葉で難しいことばかり

    書いてる本。アレは役に立ちそうもないもんね。

メルテル 役に立たないだと? おい、もう一度言ったら、角で打つからな!

   メルテルはマイオを指差して激しく怒る。あまりの勢いにマイオも驚き、リトを盾

   にする。

マイオ  そんなに怒るなよ。

リト   仲良く行きましょう!

メルテル どうしてもって言うなら、仲良くしてやってもいいけど。

   メルテルの鼻息はまだまだ荒い。

メルテル いいか……。

リト   ねね、これ何の羽根かしら?

   リトはマイオの手の中の羽根に興味が移る。

   メルテルは地面にがっくりと膝をつく。

メルテル 早速、シカトですか。

マイオ  さあね。とにかく森を出よう。

リト   じゃあ、案内して。

メルテル ……。

リト   どうしたの?

メルテル なんでもないですよ。こっちかな。

   暗転幕が上がる。

   メルテルは立ち上がり、兄妹の前を歩き始めると、兄弟もそれについて行く。

   進んでいくうちに、森から草原へ変わっていく。

   その間もリトは羽根に見とれている。

リト   きれいな羽根ね。

マイオ  そう? カラスかなんかじゃないの?

リト   バカね。カラスの羽根は黒いのよ。

マイオ  残念でした。時々白いのが生まれるんだよ。

リト   本当?

マイオ  父さんが言ってたからね。

リト   白いカラスかぁ、ステキ! なんか神秘的ね。

マイオ  素敵なもんかよ。色が違うだけで仲間外れにされて、イジメられるんだぜ? 不

    幸だよ。

   そこへメルテルが自信たっぷりに話に割って入ってきました。

メルテル 教えてあげるよ。そいつは飛ばない鳥の羽さ。

マイオ  飛ばない鳥? 何だそりゃ。

リト   鳥なのに飛べないの?

メルテル いや、飛べるんだけど、飛ばない鳥なのさ。

   マイオが笑います。

マイオ  そんな馬鹿な鳥いないよ。

メルテル 飛べるからって賢いわけじゃないだろう? 人間だって、難しいことをしゃべ

    れるからって賢いわけじゃないのと一緒さ。

リト   そうなの?

メルテル 飛ばない鳥の羽は、主に羽根ペンの材料として使われております。えっへん。

マイオ  なんで?

メルテル インクも飛ばないからです。

リト   へー。

マイオ  あーあ、くだらない洒落なんて言ってないで、まずどこに行くか教えろよ。

メルテル 森から出たじゃないか。

リト   そうじゃなくて、どこに行けば他の魔女に会えるの?

メルテル こういうときは大抵物事のほうからやってくるもんだよ。

リト   そんなもの?

   マイオが近づいてくる何かに気がつく。

マイオ  あ、何か来る。

メルテル ほら来た。

リト   隠れましょう!

   三人が隠れると、子猫たちが歩いてくる。

   だいぶ疲れているのか、ふらふらと足元がおぼつかない様子。

子猫A  俺は反対だ。

子猫B  俺も反対だ。

子猫C  反対だ。

子猫D  反対の反対だ。

子猫A  じゃあ、どうするんだ?

子猫B  人間てのは、タダでは何もしないんだぞ。

子猫C  あの魔女も言ってたね。

子猫A  でも、あの山からアレを取って来れるのは人間だけだ。

子猫D  人間だけだ。

子猫B  でも、僕たちにはあげられるものなんてないよ。

子猫A  じゃあ何でついて来たのさ。

子猫C  君一人じゃあ心配だからだよ。友情さ。

子猫B  おいしい物が食べられるかも知れないだろう? 食欲さ。

子猫D  何となくさ。(みんなの視線を受ける)何となくは何となくなの!

子猫A  でも一番は?

子猫たち 魔女にいじめられたくないから!

子猫B  一人であんなところに残ったら。

子猫C  何をされるかわかんないよ。

子猫D  わかんないね。

子猫A  やっぱり。

子猫たち みんなで来て、正解だったねー。

   マイオが子猫たちの目の前に急に飛び出す。

マイオ  ねぇ、君たち。

   子猫たちは突然のことに混乱状態に陥る。

   一番小さな子猫だけが楽しそうにはしゃぐ。

子猫A  ぎゃあ!

子猫B  人間だぁ。

子猫C  怖いよ~。

子猫D  これが人間? 尻尾がないよ。おかしいね。

   リトも同じように飛び出してきて、子猫たちの混乱は最高潮に達する。

   子猫たちはどうすることも出来なくなってその場に座り込んでしまう。

リト   魔女って言った?

メルテル 言ってたね。どの魔女のことかな?

子猫たち 魔女だって?!

   魔女と言う単語を聞いて、子猫たちは勇気を振り絞る。

   一斉にマイオたちを取り囲みます。

子猫A  お前たち魔女の手下か?

子猫B  手下か?

子猫C  手下だな?

子猫A  手下め。

子猫D  手下って?

子猫B  手先のこと。

子猫C  手先だな?

子猫D  手先って?

子猫B  部下ってことだよ。

子猫C  部下だな?

子猫D  部下って?

子猫B  部下の服がぶかぶか!

子猫A  つまんないこと言うなよ。

子猫B  部下って言うのは、手下のことだ。

子猫C  それじゃあ、繰り返しになっちゃうよ。

子猫D  よくわかんないからいいや。

マイオ  魔女に何かされたの?

子猫たち よくぞ聞いてくれました。

歌『猫たちの歌』

マタタビ山に朝日が昇る

 大人たちは今日も向かう

 毎日ごろごろ いつでもごろごろ

 お昼になっても降りてこない

 僕たち子供はお腹をすかせ

 みんなで鳴いても届かない

 魔女が本を山に置いたから

 マタタビ山に夕日が沈む

 大人たちは戻らない

 雨でもごろごろ 風でもごろごろ

 朝になっても降りてこない

 僕たち子供はお腹をすかせ

 ニャーゴロニャーゴロ

 お腹も泣き出す悲しい始末」

子猫A  人間たちは信用できないけど。

子猫B  餌をくれるなら信じてもいいよ。

子猫C  僕たちを助けてください。

子猫D  助けてください。

マイオ  どうする?

リト   かわいそうだから助けてあげましょうよ。

メルテル もしかしたら魔女に会えるかもしれないしね。

マイオ  そうか、じゃあ、助けてあげるよ。

子猫A  では、案内しましょう。

子猫B  でもその前に。

リト   その前に?

子猫B  何か食べられる物くれませんか?

子猫たち くれませんか?

リト   そういえばお腹が空いたわね。ご飯を食べてから進みましょうよ。

マイオ  そうだね。

子猫たち やったぁ!

メルテル やれやれ。

   暗転。

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